古歌集

万葉集・古事記・百人一首・伊勢物語・古今和歌集などの歌の観賞記録

2021-01-01から1年間の記事一覧

峨眉山月の歌

峨眉山月(がびさんげつ) 半輪(はんりん)の秋 影は 平羌江(へいきょうこう)の水に入りて流る 夜 清溪(せいけい)を発して 山峡に向かう 君を思えど見えず 渝州(ゆしゅう)に下る 李白 李白は、701年生まれの唐代の詩人だ。 今では詩仙と仰がれるが、生前は流転…

すゑ葉の露に 嵐たつなり

暮るる間も 待つべき世かは あだし野の 末葉(すゑば)の露に 嵐たつなり 式子内親王 ーー 日暮れまでも待ってはくれない、この世の中は。 葬送の地・化野(あだしの)の葉先の露が、風であっけなく消え去るように ーー (私訳) この歌の作者は式子内親王、後白河天皇…