古歌集

万葉集・古事記・百人一首・伊勢物語・古今和歌集などの歌の観賞記録

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

見渡せば 花も紅葉も なかりけり

見渡せば 花ももみじも なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ 藤原定家 新古今和歌集にあるこの歌 人生と自然の融合をあらわす幽玄体の歌風で知られる藤原俊成の息子の定家 定家の歌は「言葉は古きを慕ひ心は新しきを求め」る有心(うしん)の美を目指した 後鳥…

手に執るからに ゆらく玉の緖

初春の 初音の今日の 玉箒(たまばはき) 手に執るからに 揺らく玉の緖 大伴家持 758年(天平宝宇2年)家持41歳の年の初めの子の日に、宮中では宴が催された 家持は宴で奏上するための歌を用意していたが、仕事の都合で披露する事ができなかったようだ 万葉…

籠(こ)もよ み籠もち

籠(こ)もよ み籠(こ)もち ふくしもよ みふくし持ち この岳(をか)に 菜摘ます児(こ) 家聞かな 名告(の)らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我こそ居(お)れ しきなべて 我こそ座(ま)せ 我〈に〉こそは告らめ 家をも名をも 雄略天皇 万葉集第…