古歌集

万葉集・古事記・百人一首・伊勢物語・古今和歌集などの歌の観賞記録

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

旅にまさりて 苦しかりけり

人もなき むなしき家は 草枕(くさまくら) 旅にまさりて 苦しかりけり 大伴旅人 大伴旅人は60歳を過ぎてから太宰師(だざいのそち)として筑紫へ2度目の赴任をした この赴任は藤原氏にとっての厄介者を遠ざける隠流(しのびながし)かともいわれる 筑紫には、愛…

世の中に 絶えて桜のなかりせば

世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし 在原業平 現在の大阪府枚方市辺りにあった渚院(なぎさのいん)に、惟喬親王達とともに狩りにやって来た時の歌 狩りといいながら、ほぼ桜を愛でながら酒を飲み交わし、和歌を披露しあって過ごしたよう…

花や今宵の 主ならまし

行き暮れて 木の下陰を 宿とせば 花や今宵の 主ならまし 平忠度(ただのり) 平忠度とは平家の公達で、後の源氏との合戦においては武将として戦った 和歌に優れ、戦う前に死を覚悟して辞世の句をしたためていた それが上記の歌 --旅に行き暮れて、桜の木の下…

桜の花の にほひもあなに

娘子(をとめ)らが 頭挿(かざし)のために 遊士(みやびを)の かずらのためと 敷きませる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひもあなに 伝 若宮年魚麻呂(わかみやのあゆまろ) 万葉集第八巻 春の雑歌より 乙女達や風雅な男達が、髪に挿したり蔓を輪にして巻…