2020-01-01から1年間の記事一覧
新(あらた)しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと) 大伴家持 万葉集4516首の最後の歌。 この歌が作られた759年は、大伴家持が頼みにしてきた聖武天皇・橘諸兄が2〜3年前に相次いで没し、いよいよ名門豪族大伴氏の存続の危機をひしひし…
あはれなり わが身の果てや 浅緑 つひには野辺の 霞と思へば 小野小町 誰もが知る平安初期の美女・小野小町とこの歌のイメージはあまり結びつかないかもしれない 小野小町は伝説の多い人物で、深草少将の百夜通いや、能の『卒塔婆小町』『通小町』の中の髑髏…
やまぶきの 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく 高市皇子(たけちのみこと) 『十市皇女の薨ぜし時に高市皇子尊の作らす歌三首』として万葉集巻第二に採られた歌 十市皇女(とをちのひめみこ)も高市皇子も天武天皇を父にもつ異母姉弟である…
見渡せば 花ももみじも なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ 藤原定家 新古今和歌集にあるこの歌 人生と自然の融合をあらわす幽玄体の歌風で知られる藤原俊成の息子の定家 定家の歌は「言葉は古きを慕ひ心は新しきを求め」る有心(うしん)の美を目指した 後鳥…
初春の 初音の今日の 玉箒(たまばはき) 手に執るからに 揺らく玉の緖 大伴家持 758年(天平宝宇2年)家持41歳の年の初めの子の日に、宮中では宴が催された 家持は宴で奏上するための歌を用意していたが、仕事の都合で披露する事ができなかったようだ 万葉…
籠(こ)もよ み籠(こ)もち ふくしもよ みふくし持ち この岳(をか)に 菜摘ます児(こ) 家聞かな 名告(の)らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我こそ居(お)れ しきなべて 我こそ座(ま)せ 我〈に〉こそは告らめ 家をも名をも 雄略天皇 万葉集第…