手に執るからに ゆらく玉の緖
初春の 初音の今日の 玉箒(たまばはき)
手に執るからに 揺らく玉の緖
758年(天平宝宇2年)家持41歳の年の初めの子の日に、宮中では宴が催された
家持は宴で奏上するための歌を用意していたが、仕事の都合で披露する事ができなかったようだ
万葉集巻第20に歌の後に「大蔵の政に依りて、奏し堪(あ)へず」と
当時はついに披露されなかったこの歌が、1200年後の今、私達の目に触れているのは不思議なことだ
歌の中の玉箒は養蚕の発展のために飾られ、同じように男性のための手辛鋤(てからすき)という物もある
これらは節物(せつぶつ)という
正倉院にはこの歌が作られた時期の『子日目利箒(ねのひのめとぎぼうき)』と『子日手辛鋤』が今も保存されている