古歌集

万葉集・古事記・百人一首・伊勢物語・古今和歌集などの歌の観賞記録

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

わが心 慰めかねつ 更級や

わが心 なぐさめかねつ 更科や をばすてやまに 照る月を見て -― 読み人知らず 長野県更科地区は月の名勝でも知られている 姨捨ての伝説は平安の昔から伝えられ、古今和歌集に採られたこの歌は松尾芭蕉をはじめ後世の人々に多大な影響を与えてきた なぜこの…

さねさし 相模の小野に燃ゆる火の

ヤマトタケルとオトタチバナヒメ さねさし 相模の小野に 燃ゆる火の 火中(ほなか)に立ちて 問ひし君はも これはヤマトタケルの妻オトタチバナヒメが歌ったもの タケルとヒメ達一行は東の方の大和朝廷に服従していない者達を服従させるための旅をしていた …

あまの原 ふりさけ見れば

□ 数奇なる運命 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出し月かも -阿倍仲麻呂-- 阿倍仲麻呂とはのちの陰陽師として有名な安倍晴明一族のご先祖様のひとりといわれる仲麻呂は若くして優秀だったため遣唐使に同行し、当時の最先端の国・唐の都・長安へ…

ちはやぶる 神代もきかず

◽枕詞のちから・・・ ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは 在原業平 百人一首で有名なこの歌だ まず ちはやぶるってなに?と現代人は思う ちはやぶるとは〈神〉にかかる枕詞だ ただでさえ文字数に制限のある歌の中にわざわざ枕詞を…