古歌集

万葉集・古事記・百人一首・伊勢物語・古今和歌集などの歌の観賞記録

七夕つめに 宿からむ

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狩りくらし   たなばたつめに   宿借らむ

                             天の河原に    我は来にけり

 

 伊勢物語、惟喬(これたか)親王の伴をして在原業平らが狩りで天の河(現在の大阪府枚方市天野川)までやって来た

親王は業平にこれを題材にした歌を所望した

そうして作った歌としてとりあげられている

~ 狩りをしているうちに日が暮れてきた

織り姫に宿をかりよう、天の川なのだから ~

 

織女とはなにか、一説に…

今から約4200年程前、中国大陸の北方の黄河流域を支配していた黄帝という者がいた

大陸南方の長江流域に大変文化の発達した国があったが、黄帝がこれを滅ぼした

黄帝の妻は南方の絹織物を好んだため、織女を北方へ連れ去ってきた

南方にとり残された夫達は、妻に一目逢いたいと、天の川がはっきりと見える七夕の日に再会の願望をかけたのが始まりと…

 

 唐の時代の頃には裁縫などが巧になるよう祈る祭に変遷していた

 

おそらく奈良時代百済などの帰化人から伝わり、万葉集には130首余りの七夕の歌が採られている

柿本人磨呂歌集より、

 

□ 天の川   梶の音聞こゆ    彦星と   

         織女(たなばたつめ)と  今夜逢ふらしも

 

旧暦の7月7日は、今の暦の7月終わり頃

万葉集では『秋の雑歌』に含まれる